はじめに
引っ越しをする際、住む場所の選定は生活の質を大きく左右します。
しかし、見た目や価格に惹かれて契約したものの、実際に住んでみたらトラブル続きで後悔するというケースも少なくありません。
「安いし便利そうだ」と感じて契約した物件で、夜中に騒音に悩まされ不眠の日々が続いたり、想像以上に光熱費がかさみ家計に大きな負担がかかったりすることもあるでしょう。
こうした経験は、期待に胸を膨らませていた新生活が一転して苦痛に変わる瞬間です。
本記事では、不動産関係者が教える「住んではいけない物件の見分け方」を具体例を交えながら詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、予期せぬトラブルを避け、快適な新生活を送るためのヒントを得られるでしょう。
賢い物件選びの第一歩は内見のポイントを知ることから
床の状態を見て安心感を得る
内見の際、まず注目してほしいのは床の状態です。
特に古い物件では、元々和室だった部屋を洋室にリフォームしていることがあり、リフォームの質によっては床がフニャフニャしていることがあります。
これが将来的なトラブルの原因になる可能性がありますが、すべてのリフォームがそうとは限りません。
最近の技術進歩により、高品質なリフォームが増え、十分にしっかりした床を持つ物件も多くなっています。
床を叩いて硬さを確認することで、「この床は安心できる」と自分の目で確信を得られるはずです。
例えば、クッションフローリングは見た目はフローリングでも、実際には柔らかい素材で作られています。
そのため、家具を置いた際に凹んでしまうことがあり、それが原因で修理費用が発生することもあります。
しかし、クッションフローリングが必ずしも悪いわけではなく、生活スタイルによってはその柔らかさが快適さに繋がることもあります。
内見時には床を叩いて硬さを確認し、しっかりした床かどうかをチェックしましょう。
「これなら大丈夫」と思える物件を選ぶことで、安心感を持って新生活をスタートさせることができます。
電気のアンペア数も見逃さない
物件の内見時には、電気の契約アンペア数を確認することも忘れないでください。
古い建物ではアンペア数が低く設定されていることがあり、これが原因で家電を多く使うと頻繁に停電してしまうことがあります。
夜に家族がリビングでテレビを見ている最中にキッチンで料理をしていたら突然停電になり、「またか…」と肩を落とすような生活は避けたいものです。
電気メーターを確認することで、アンペア数が15〜20程度なのか、もっと高いのかを知ることができます。
一般的に小さい部屋であっても20アンペアは必要とされ、家電が多い家庭では30アンペア以上が推奨されます。
ただし、アンペア数が低くても電力の使用量を調整することで問題を回避できることもあります。
例えば、高エネルギー消費の家電を同時に使わないなど、適切な管理をすることで停電のリスクを軽減することが可能です。
快適な暮らしのために、アンペア数を確認して「自分たちの生活に必要な電力を確保できている」と感じられる物件を選びましょう。
エアコンの年式を確認する
内見時には、エアコンの年式も確認しておくと良いでしょう。
古いエアコンはエネルギー効率が悪く、光熱費が高くなりがちです。
また、古いエアコンは故障のリスクも高く、新居で快適に過ごすためには新しいエアコンが設置されていることが望ましいです。
「夏の暑い日、エアコンが壊れたらどうしよう」という不安を抱えながら生活するのは非常にストレスです。
エアコンの年式は側面や下部のラベルで確認できます。
古すぎる場合、入居前に交換が可能かどうか不動産業者に確認してみましょう。
ただし、古いエアコンでも適切にメンテナンスされていれば問題なく使えることもあります。
年式だけでなく、フィルターの掃除状況や冷却性能なども合わせて確認して、「これなら安心」と納得できるかどうかを見極めましょう。
便利さの裏に潜む罠に注意する
1階に飲食店やコンビニがある物件のリスク
一見すると便利に見える1階に飲食店やコンビニがある物件。
しかし、これらの物件には思わぬ問題が潜んでいます。
例えば、1階が飲食店の場合、キッチンから虫が上がってくるリスクが高く、快適な生活環境を脅かします。
夜中に台所でゴキブリを見つけ、「またか…」とため息をつく毎日を想像してみてください。
それだけでストレスが溜まり、帰宅するのが憂鬱になってしまうでしょう。
ただし、1階に飲食店がある物件すべてが問題を抱えているわけではありません。
例えば、最新の衛生管理システムを導入している飲食店であれば、虫の発生リスクを抑えることができます。
また、建物の構造や飲食店の換気システムがしっかりしていれば、騒音や臭いの問題も最小限に抑えられます。
内見時にはこうした点を確認し、その物件がどの程度のリスクを持つのかを見極めることが大切です。
さらに、飲食店からの騒音や臭いも問題です。
例えばラーメン店が近くにある場合、調理中の匂いが部屋に流れ込んでくることがあります。
洗濯物に匂いが付いてしまい、外で干すのが難しくなることもあり、その結果として部屋干しが必要となり、エアコンの使用頻度が増えて電気代が跳ね上がることもあります。
しかし、最新の換気システムが設置されている飲食店であれば、このような問題は大幅に軽減されることがあります。
便利さに惑わされず、周囲の環境にも注意を払いましょう。
「美味しい匂いがするのは良いけれど、実際に住むと負担になることもある」という点を意識して選びましょう。
騒音と振動の影響を考える
コンビニが1階にある物件も注意が必要です。
24時間営業のコンビニでは、優先放送やお客さんの出入りによる騒音が絶えず、安眠を妨げる要因となります。
また、車の出入りによる振動や騒音も無視できません。
深夜に突然聞こえてくる車の音や人の声で目が覚めてしまうことが続けば、「こんなはずじゃなかった」と後悔するかもしれません。
静かな生活を求めるなら、便利さよりも環境を重視した選択が重要です。
しかし、音の問題も工夫次第で解決できることがあります。
例えば、防音ガラスを設置している物件や、窓の二重サッシを採用している物件であれば、外部からの騒音を大幅に軽減できます。
また、周辺の交通量やコンビニの立地を事前に確認することで、騒音の少ない場所を選ぶことも可能です。
「夜中に窓の外から聞こえる話し声が気になる」という状況を避けるためには、内見時にしっかりと確認することが必要です。
周囲の環境を内見で確認する
物件の周囲の環境も内見の際に必ずチェックしましょう。
飲食店だけでなく、病院や繁華街の近くにある物件も注意が必要です。
病院の近くでは救急車の音、繁華街の近くでは夜間の騒音など、生活に影響を与える要素が多くなります。
「夜中に救急車のサイレンが鳴り響いて、眠りが浅くなる」ような状況は避けたいものです。
ただし、病院の近くに住むことには利点もあります。
例えば、高齢の家族がいる場合、緊急時にすぐ医療機関にアクセスできることは大きな安心材料です。
また、繁華街の近くであっても、防音設備が整っている物件や、繁華街から少し離れた場所にある物件を選ぶことで、騒音の影響を最小限に抑えることが可能です。
内見は昼間と夜間の両方で行い、昼と夜の環境の違いを確認することが大切です。
「昼間は静かでも、夜になると騒がしくなる」エリアもあります。
慎重に確認して、安心して暮らせる物件を見つけましょう。
契約前にしっかり確認しておきたいこと
不動産業者の説明に惑わされないために
物件選びの際、不動産業者からの説明を鵜呑みにしないことが重要です。
不動産業者は契約を取りたいがために、物件のデメリットを隠してしまうことがあります。
「見晴らしが良い」と説明された物件が、実際には坂の上にあり、毎日の上り下りが大変で生活に支障が出ることもあるのです。
仕事で疲れた帰り道、急な坂を登りながら「こんなに大変だとは思わなかった」と感じることがストレスになるかもしれません。
しかし、坂の上にある物件には、騒音が少なく空気がきれいであるという利点もあります。
また、運動不足の解消に繋がることもあり、健康的な生活を送るきっかけになることもあります。
不動産業者の説明だけでなく、自分の目で確認することが大切です。
具体的な問題点について質問し、本当にその物件が自分に適しているかを見極めましょう。
「自分で確認しなければ後で後悔する」という意識を持つことが重要です。
契約前の確認リストを用意する
契約前には、物件の重要な点を確認するためのリストを作成することをおすすめします。
フローリングの硬さ、電気のアンペア数、エアコンの年式、周囲の環境など、見逃しがちなポイントも含めて細かくチェックしましょう。
確認リストを使うことで、内見時に見落としがちな部分も確実に確認することができます。
また、不動産会社が提供する情報に過信せず、自分で目で確かめることが大切です。
物件に関する細かな質問をすることで、隠れた問題点を浮き彫りにすることができるかもしれません。
「ここで安心して暮らせるのか」と問いかけながら、冷静に判断する材料を集めましょう。
物件の周辺環境に注目する
内見時には、物件の内部だけでなく、周辺の状況も確認しましょう。
ゴミ捨て場の位置や清掃状況、近隣住民の雰囲気など、住み始めてからの生活に大きく影響を与える要素も多くあります。
「ゴミ捨て場が汚れていて、虫が集まっている」と気づいたときには、すでに引っ越してしまった後で後悔するかもしれません。
しかし、ゴミ捨て場が清潔に管理されている物件も多くあります。
管理が行き届いていれば、虫の発生リスクも低く、安心して生活できます。
特に騒音問題は後から気づいて後悔することが多いため、周囲の環境のチェックは慎重に行いましょう。
繁華街や交通量の多い通りからどれくらい離れているのか、近くに公園があるかなど、生活の快適さに直結する部分を意識して確認してください。
「昼間は平和そうでも、夜になると全く違う顔を見せるエリア」での生活を避けるために、時間帯を変えた内見は非常に有効です。
まとめ
物件選びは、あなたの生活の質を左右する大切なプロセスです。
外見や立地だけに惑わされることなく、内見の際にしっかりと確認することで「住んではいけない物件」を避け、安心して暮らせる環境を手に入れましょう。
今回ご紹介したポイント、例えばフローリングの状態やエアコンの年式、周囲の環境など、細かなチェックが後々の生活を快適にする鍵となります。
契約を急がず、不動産業者の言葉を鵜呑みにせず、自分の目で確かめることが何よりも大切です。
引っ越しという大きな決断において、できるだけ後悔のない選択をするために、本記事の内容を参考にして次の新居を慎重に選んでください。
あなたの新生活が素晴らしいものとなるよう、賢い物件選びのコツをしっかりと活用していきましょう。
「ここを選んで本当に良かった」と心から思える新生活を手に入れてください。